九州の食と醤油
長崎料理
長崎の「わからん」
グルメ
江戸期の鎖国時代に国内で唯一、海外との交易が許された長崎。異国情緒漂う街並みとともに、料理も外国の影響を色濃く残します。
中国やオランダ、ポルトガルなどとの交流で、長崎の街には多国籍の料理店が並びます。和・華・蘭(かわらん)グルメとも呼ばれ、和(和食)、華(中華料理)、蘭(洋食)がうまく混じりあって、独自の発展を遂げてきました。
チョーコー醤油は、長崎がたどってきた独自の食文化に育まれてきました。
和・華・蘭を代表する
卓袱料理
(しっぽくりょうり)
中華料理のような朱色の円卓に並ぶ、吸い物、刺身、湯引き、甘辛く煮た豚角煮などの色とりどりの料理。卓袱料理(しっぽくりょうり)とは、和・華・蘭が融合された宴会料理です。しっぽくは「卓」のことを指し、卓上に並んだ料理を意味します。
円卓を囲んで、みんなで大皿に並んだ料理をつつき合う卓袱料理。上座も下座もない、自由なスタイルは、異国文化を受け入れてきた長崎ならではのもの。豚角煮や刺身など、地元の食材をふんだんに使った卓袱料理でも、多くの料理店で長らくチョーコーの醤油が使用されてきました。
長崎名物ちゃんぽん
皿うどん
長崎の食として、皆様の頭に思い浮かぶのは、やはり「ちゃんぽん」。長崎名物して地元のみならず、今や全国の方々に親しまれています。
ちゃんぽんは明治中期、中華料理店「四海樓(しかいろう)」の初代、陳平順さんが、中国からの留学生に、ボリュームがあって栄養価の高いものを食べさせたいと、考案したとされています。キャベツ、人参、もやしといった野菜に、豚肉、エビなど10数種類に及ぶ食材を炒め、鶏ガラや豚骨ベースのスープで味を整え、太麺を入れて煮た麺料理。ボリュームたっぷりの食材と、食材のうま味がスープに溶け込んで麺と絡み合い、空腹を満たしてくれます。あまりのおいしさが評判を呼び、長崎を代表する料理となりました。
中華街のある長崎では、多くの中華料理店が、ちゃんぽんや皿うどんでオリジナルの味を競っています。スープには、醤油も原料として使用されます。チョーコー醤油では、長崎の多くの中華料理店に醤油を供給しており、影の名脇役として長崎名物を支えています。また、皿うどんに欠かせないのが、長崎人に親しまれている、チョーコーの金蝶ウスターソース(通称・金蝶ソース)。スパイシーな味わいが、甘めの餡が乗る皿うどんに、アクセントを加えます。
全国屈指の漁場が育む
魚料理
長崎は、日本指折りの魚に恵まれた県です。対馬海流に乗って、たくさんの魚が集まり、魚のエサとなるプランクトンも豊富。好漁場を抱え、漁獲量は全国2位で、魚種は全国1位を誇ります。
漁獲量全国1位のアジは有名で、一本釣りで300グラム以上の「野母(のも)んあじ」は脂がのって、醤油をちょこっと漬けて食べる刺身は最高。国内指折りの漁獲高を誇る鯛も、刺身だけでなく、塩釜焼、鯛茶漬け、鯛めしとして、地元の人に親しまれています。甘み豊かな「長崎天然伊勢海老」を贅沢に使った、伊勢海老料理も人気です。日本一のトラフグ養殖地としても知られ、800グラム以上のものは「長崎ふく」としてブランド化。フグ刺し、ちり鍋としてプリプリの食感を味わえます。
異文化が混じりあった長崎は、さまざまな国の魚料理を楽しめます。魚の新鮮さをそのまま味わうなら、もちろん刺身。中華風なら薫り蒸し、洋風ならカルパッチョなど、和・華・蘭で、とれたてのおいしい魚を口にできるのが長崎の良さ。そこでも、チョーコーの醤油が味の引き立て役として、食卓を支えています。